こんちゃんのブログ

気ままに好きなこと書いていくよ!

虹を架ける鳥 18 セキセイインコのキキちゃん

卵詰まりから、卵管が飛び出し

 

症状や治療のストレスから日に日に元気がなくなっていった。

 

そしてあまり動かなくもなっていた。

 

妻は心配で心配で片時もインコの側を離れなかった。

 

夫婦で話し合った結果、お金はかかるが札幌の専門の

病院で診てもらうことに

 

筆者は仕事で連れて行くことはできなかったが

妻が車を走らせた。

 

普段は運転はしない妻だが、運転には難があった

しかし、この時ばかりは命がかかっているので

苦手な運転でも片道二時間の道のりを走らせた。

 

診断は卵管が飛び出した事による、過度のストレス

 

そのストレスによって細かなころが色々と引き起こされ

衰弱しているようだった。

 

迷わず入院させることにした。

 

専門医に任せるしかないと思った。

 

帰宅後、私たち夫婦に会話はなかった。

 

インコが居ないとこんなに家の中は静かなのかと気付かされた。

 

出かける時も癖で電気をつけて行こうとするたび

 

『あー入院しているからいないんだった・・・』

 

ことあるごとに生活の1つ1つがインコ中心になっていたため

 

何をするでもインコが頭をよぎった。

 

そして夫婦で休みが合う日に面会に行った。

 

 

だけど想像している以上に事態は深刻だった。

 

会った瞬間にわかった。

 

毛並みもボサボサ、くちばしもボロボロ、立っているのがやっとの

姿だった。

 

鳴く力も残っていなかったのだろう。

 

筆者に気付いたうちのインコは立っているのがやっとの状態なのに

ケースに張り付き、逆さまになろうとしていた。

 

それは毎日やっていた遊んでほしい時や構ってほしい時にやっていた

あのアピールだった。

 

衰弱しているのでケースで逆さまになることができず転んでいた。

 

転んでも逆さまになろうと必死に体を動かしていた。

 

見てられなかった。

 

妻は泣きながらも必死にインコを励ました。

『キキちゃん、頑張るんだよ』と

 

インコのために大好きな扇型の止まり木を持ってきていた。

慣れない環境で少しでも頑張れるようにと妻が家から持ってきたものだった。

 

筆者の姿を見ると残り少ない体力を無駄に消費してしまい

治療に影響が出ると思い

 

筆者は早々と部屋を出た。

 

しかしうちのインコは筆者が見えなくなるまで逆さまになっていたらしい。

 

妻は泣きながらインコに別れを告げ

『また来るからがんばるんだよ』

と自分に言い聞かせるようにインコに話しかけていた。

 

そしてこの数日後にあの電話が入った。

 

忘れることのない日だ