虹を架ける鳥 7 セキセイインコのキキちゃん
うちにこのインコが来て半年ほどになろうか
筆者とインコの間に変な遊びが流行る。
それは指で頭を触ろうとするのをインコがかわすといった名前もない遊びだ。
なかなか触らせてくれないインコ
その癖、よく寄ってくる。
インコは首から上は触られるのを好むがそれ以外はNGと何かで読んだ記憶がある。
だがうちのインコはどこも触らせてくれない。
諦めずに触ろうと指を左右に動かすと器用にかわすのだ。
まるでボクシングのトレーニングのように
指ではないがこの霧吹きにはやたらと敵意を見せ高速で攻撃をしてくる。
それを放鳥時に毎回続けていたある日
たまたま首もとに指が当たったのだ
ふわふわしていて気持ちよかったのだが
インコの様子がどこかおかしい
当たった瞬間動きが止まるのだ
数秒前してからまた動き出しまた当たると止まるを繰り返した。
何回目かの指が首元に当たった時にそのまま首を指で触り続けた。
インコはそのままフリーズし、なんだか静かにしている。
どうやら気持ちが良いようだ。
インコは首元をかかれるのが好きみたいで遊んでいるうちにそれがたまたまた当たったところが気持ちいいところだったらしい
それからうちのインコは首をかかれる快感を覚え自分からせがむようになった。
走ってきて『さぁ!かけ!』と言わんばかりだ
ひどい時は指が疲れてもうおかしくなってしまうほどやらされることがあった。
妻もそれを知ってから触れることが嬉しかったようで暇さえあればインコを構っていた。
妻のインコへの執着心はものすごく
部屋の中をインコグッツが支配し始めていた。
キーホルダー、靴下、タオル、シール、人形、ポスター
言い出したらキリがないほど
感心してしまう。
一つの店にインコや鳥の柄の商品など一点あれば良いところだが、よくも見つけてくるものだ。
インコのイベントがあれば車で2時間かかるところでも足を運んだ
もちろん筆者も運転手として駆り出された
筆者は興味がないので車で待機だったが・・・
値段に見合わない商品をお小遣いの限り買ってくるのだった。
この値段に見合わないというのは筆者にとって価値がないものであるからだ
行くたび、戦利品を報告されたがどこか上の空だった。
そして部屋中を埋め尽くすほどインコグッツが集まっていった。
妻のインコへの一方通行の愛が深まっていき、筆者に相手にされないインコは発情が目立つようになっていった。