こんちゃんのブログ

気ままに好きなこと書いていくよ!

虹を架ける鳥 19 セキセイインコのキキちゃん

うちのインコを入院させて一週間経った頃

 

夜の20時頃に病院から連絡が入った。

 

電話に出た妻は固まったまま静かに電話の内容を聞いていた。

 

そのうちに手が震えていた。

 

『キキちゃん危ないて・・・』

 

一時的には持ち直したみたいだが体力が持たないようだった。

 

今夜が山だと伝えられたらしい。

 

電話を切った瞬間、妻は泣き崩れた

 

『キキちゃんが居なくなったらどうしよ・・・』

『キキちゃんが死んじゃったらどうしよ・・・』

 

ずっとこれだけを言っていた。

 

とにかく妻をなだめてはいたが筆者も気が気じゃなかった。

 

妻は泣き続けた。

 

そんな妻は見てられなかったし、何より心配だった。

 

だから、病院まで車を走らせた。

 

夜だし対応してくれる保証はどこにもなかった。

 

電話もかけてみたが留守電になるばかりで繋がらなかった。

 

でも黙っていられなかったから高速で札幌まで急いだ。

 

その間も妻は泣きっぱなしだった。

 

 

 

なんとか病院に着いたが、どうして良いかわからなった。

 

その病院は先生の御宅と病院がくっついて建てられていた。

 

自宅であろう家に失礼は承知でインターホンを鳴らした。

 

言葉がうまく出ず、震えた。

 

夜分遅くに失礼だったと思う、もちろんしっかりと挨拶はさせて頂いた。

 

時間は22時を回っていたが先生は自宅から出てきてくれた。

 

でも先生から発せられた言葉に私たち夫婦は凍りついてしまった。

 

『頑張ってはいたんですが、30分前に亡くなられました。』

 

何を言っているのかわからなかった。

 

妻は泣き止んではいたが泣きじゃくってしまってどうしようもならなかった。

 

先生が

『今、正面の玄関開けるので待っててください。』

と親切に対応してくれた。

 

病院の玄関が開き、診察室へ待っているところに

 

うちのインコは運ばれてきた。

 

横になっていた。

 

鳥が横になるときは死ぬ時だ。

 

本当に死んだんだと思った。

でも受け入れられなかった。

 

いつもうるさくてうるさくて仕方なかったあのインコが

ボサボサな羽、ボロボロなくちばしで静かに横になっていた。

 

最後にうちのインコのお気に入りだった止まり木も預かってきた。

 

その止まり木にはたくさんのうんちの跡が着いていた。

 

この木の上にいたことが見てわかるぐらいに

 

先生は

『ずっとその気の上にいましたよ』と行っていた。

 

筆者は冷静に手続きを済ませて、先生にお礼を言い病院を後にした。

 

車に乗った瞬間、何かがはち切れたかのように涙が出てきた。

 

ボロボロでいつもより軽くなってしまっているインコを抱きかかえ

ただただ涙が出た。

 

妻も泣き続けていた。

 

帰宅後、二人で必死に話しかけた。

 

『よく頑張ったな・・・辛い思いばかりさせてごめんな』と・・・

 

発情させてしまったことで卵詰まりになり

治療のストレスから胃潰瘍になり、バタバタと悪いことが重なり

あっという間に逝ってしまった。

 

本当に弱い生き物だ。

 

 

それから私たち夫婦の生活の中心だった存在が突然となくなった。