虹を架ける鳥 8 セキセイインコのキキちゃん
うちのインコは水浴びをしない
カゴに取り付けるタイプのプールを用意しても入ろうとせず飲むのだった。
そのかわりなぜか豆苗をまるごと与えると、葉っぱについた水滴で体を擦り付けて水浴びをしていた。
豆苗を与えると食べようとはせず、体を擦り付け羽の手入れをする。
初めてのインコだから何が正しくて正しくないかよくわからなかったが
体をキレイにするならなんでいいやといった感じだった。
そしていつからか筆者が帰宅すると妻より早く気付くようになった。
どうやら車のエンジン音で判断しているみたいだ。
家について車から出ると家の外までかすかにインコの声が聞こえていた。
家に入ると鳴き声はさらに大きくなりカゴを見る頃には既に張り付いてスタンバイ済みであった。
さぁ構いなさいと言わんばかりに
インコに変な菌を移しては大変なので手洗い、うがいを済ませてカゴに近寄り話しかけるのが毎日の日課になっていた。
たまに興奮しすぎて強く指を噛んでしまい筆者に怒られシュンとしている姿が可愛かった。
寝る前にも習慣があり、寝る前の準備に入らせるためカゴにタオルをかけて、前だけ開けておくとそのインコは寝る準備をするようになった。
急いで食事を済ませ、歯磨きではないがクチバシをゴリゴリと鳴らして寝る準備をするようになった。
あまり、遅くまで起こしていると発情過多になることがあるようで早めに寝かせてはいたがまだただうちは遅い方だった。
早い家では5時6時には寝かせているらしい
うちは9〜10時だった。
これも色々と良くなかったのだと思う。
筆者の勤務時間がバラバラだったのもあるが遊べる時は遊んでやるようにしていた。
妻は遊んでいる筆者とインコを見ていつもこういった。
『パパと遊んでいる時が1番幸せそうな顔をしている』
筆者には意味が全くわからなかった。
以前にも話したが、インコの表情はどうも汲み取れない。
怒ったら前髪が少し立つのはわかってきたが
表情はどうも分からなかった。
筆者が仕事の時も筆者の部屋に妻が入ると
筆者がいると勘違いし鳴き出すと言っていた。
対して構ってやってないのに何が良いのか全くわからず
むしろ妻に懐いてほしいぐらいであった。