虹を架ける鳥 4 セキセインコのキキちゃん
前回からの続き
元気にすくすく育ち毛並みも整い、鼻の色も落ち着いてきた頃にそれ起きた。
妻から入る連絡
『キキちゃんが何かを喉に詰まらせている』と
しばらく、えずいているというのだ。
かじることが好き子だったので何か詰まらせたのだと思い。
急いで帰宅した。
家に着く頃には落ち着いたみたいでケロッとしていた。
だが、心配だったので様子をみることにした。
えずいてから数日経った頃にまた、えずき始めた。
本を見てみると『そのう炎』と書かれた症状に似ていた。
私たち夫婦ではどうにもできなかったのですぐさま動物病院に連れて行くことにしたが
鳥を診てくれる動物病院が近くにどこもなかったのだ。
必死にケータイで探し、なんとか市内にあるのを突き止めたので急いで連絡し診察してもらうことに
医師の診断はそのう炎かもしれない
一応薬は出しておく
とのこと
かもしれないて何?て思ったが
薬飲ませて様子を見ることにした。
薬は嫌がることなく飲んでくれた。
薬を飲ませてしばらくして、えずくことがなくなった。
そのう炎について
インコを飼っている人なら誰でも知っている病気だ。
症状も収まり元気にしているので治ったのだと思っていた。
この『そのう炎』は定期的になってはいたがその度に薬で治っていた。
この頃からこのインコは筆者が見えると逆さまになって構ってアピールをするようになった。
仕事から帰ると必ず逆さまになってこちらを見ていた。
メスだからか、世話をしている妻より何故か筆者に懐いていた。
面倒も見ないしたまに遊ぶ程度なのにだ
メスだからオスに惹かれるのかな?
夫婦揃って出かけて帰宅した際には
妻は真っ先に『キキちゃん!ただいま!良い子にしてた?』と決まり文句のように聞いていた。
そのインコは主人が帰ってきて嬉しいのかカゴに張り付き逆さまになる。
カゴに張り付く妻の隙間から筆者を除いていた。
妻いわく、筆者がいると妻など目には入らないといった感じらしい。
いつの間にかものすごく懐かれていた。
生活もこのインコを中心として進むようになり夜は遅くまで出歩かない、放鳥の時間までには帰宅し、決まった時間に放鳥をしてあげるようにしていた。
その面倒を見るのがほとんど妻の役目ではあったが
共働きでどうしても帰りが暗くなってしまう時用にタイマーでつくライトを買ってつけたり至れり尽くせりの設備になっていた。
妻はどこから見つけてきたのかわからないが
インコのおもちゃや止まり木がどんどん増えていった。
まさに一人っ子に可愛いからとなんでも与える親のように
こうしてこのインコは妻に溺愛され
筆者にはあまり相手にはされていなかった。